アグリボEXの、小麦生育期 葉面散布試験

1. 試験目的

アグリボEXを小麦の生育期に葉面散布し、小麦の生育と倒伏軽減に与える効果を確認する。

2. 試験方法

栽培

横浜市内の温室内で、11月に「ホクシン」を1/5000a用ワグネルポットに播種、発芽揃い後に野外で栽培、分げつ開始後に4株に間引く。

試験区および処理時期

播種後日数 93 105 120 160 167
主稈葉数 7 8 9 13 13
生育
ステージ
幼穂
形成期
節間伸長
開始期

止葉
展開期
出穂
開始期
試験区






























無処理

※ ◯は、アグリボEX500倍希釈液に、展着剤A1,000倍相当)を加用して葉面散布

調査項目および時期

播種後238日後(枯熟期)に、株元より刈り取り、風乾後に以下を調査。

  • ● 稈: 有効分げつ数(穂数)、稈長、節間長、稈重
  • ● 穂: 穂長、穂重

4. 試験結果

※ 明らかな結果が認められた下位節間の短縮と、穂重の増加についてのみ抜粋

節間長(短稈が認められた試験区のみ)

試験結果 - 節間長

  • ● 第79葉展開期に、アグリボEX3回葉面散布で、最終処理後伸長した第4節間(第10葉展開後伸長した部分)の短縮が認められ、下位節間の短縮による挫折倒伏を軽減する効果が期待できる。(試験区⑥また、この時期までのアグリボEX12回葉面散布では短稈現象が認められず、アグリボEX内の活性成分量が短稈効果をもたらす植物生体内濃度にいたっていなかったものと考えられる。(試験区①〜⑤
  • ● 止葉展開以降 / 生育後期前に、アグリボEX12回葉面散布で、第2節間〜第1節間が縮小する傾向が見られたが、短稈効果は不十分であった。(試験区⑨, ⑩

穂重(増加が認められた試験区のみ)

株当たり穂重および1穂重試験結果 - 株当たり穂重および1穂重

穂重 / 稈重比試験結果 - 節間長

● 第89葉展開期に、アグリボEX葉面散布(試験区②〜⑥)で、無処理(試験区⑫)に比べ1穂当たりの穂重しいては株当たりの穂重の増大傾向が見られた。
これらの試験区では、稈重に対する穂重の比率が上昇したことから、生育中期のアグリボEX処理で光合成の促進ないしは糖分の稈部から穂への転流促進が起き、その結果として穂重の増加が起きたものと考えられる。

5. まとめ

  • ● 小麦(ホクシン)の幼穂形成期(7葉期)から9葉期までの間の生育中期に、アグリボEX500倍希釈液を3回葉面散布すると、下位節間を短縮させ挫折倒伏を軽減させる効果が期待できる。
  • ● 節間伸長開始期(8葉期)からアグリボEX500倍希釈液を12回葉面散布すると、穂重・穂重 / 稈重比を増大させる。

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