ヤワラの葉面散布が、小松菜茎葉中の硝酸イオン含有率に与える影響確認試験

1. 試験目的

ヤワラおよび市販化成液肥を、
小松菜に連続灌水散布した後、茎葉中の硝酸イオンの含有率を調査する。

2. 試験方法

9葉期よりヤワラを、ほぼ7日おきに4回灌水散布(12cm径ポット当り100ml)する。

対照区として、市販化成液肥 I (N:10,P:4,K:8)、市販化成液肥 II (N:7,P:4,K:4)、無処理区。

※ 元肥 (N:8,P:8,K:6) を用土1L当り2.5g施用。

※ 各試験区の希釈液中の窒素 (N) 濃度が一定 (70ppm) になるように設定。

試験区 N : P : K (%) 希釈倍率 N : P : K (ppm)
ヤワラ 5 : 0 : 0 x714 70 : 0 : 0
市販化成液肥 I 10 : 4 : 8 x1,429 70 : 28 : 56
市販化成液肥 II 7 : 4 : 4 x1,000 70 : 40 : 40
無処理区(水) - - -

3. 調査項目

葉身および葉柄〜茎の総生重量

茎葉中の硝酸態窒素の含有率 *1

茎葉中の有機態およびアンモニア態窒素の含有率 *2

*1 ナフチルエチレンジアミン法で定量し、硝酸イオン含有率に換算

*2 ケルダール法

4. 試験結果

① 総生重量(5株当たり)

<表1>

試験区 葉身 (g) 葉柄〜茎 (g) 合計 (g) 葉色
ヤワラ 104.0 99.8 203.8 多少濃緑色
市販化成液肥 I x1,429 56.9 68.1 125.0 緑色
市販化成液肥 II x1,000 51.9 43.7 95.6 多少褐変
無処理(水) 51.7 54.3 106.0 緑色

② 窒素含有率(茎葉全体)

<表2>

試験区 硝酸イオン含有率
µg / 生重g
有機態 / アンモニア態
µg / 生重g
全窒素含有率
µg / 生重g
NO3- Nとして Nとして Nとして
ヤワラ x714 5,826 41.46%
(1,316)
58.54%
(1,858)
100.00%
(3,174)
市販化成液肥 I x1,429 6,387 44.10%
(1,443)
55.90%
(1,829)
100.00%
(3,272)
市販化成液肥 II x1,000 7,871 39.21%
(1,778)
60.79%
(2,756)
100.00%
(4,534)
無処理(水) 6,464 34.46%
(1,460)
65.54%
(2,776)
100.00%
(4,237)

窒素含有率 / 茎葉全体

◆ ヤワラ処理区では、無処理区に比べても硝酸態窒素の含有率が低下した。

5. 考察

ヤワラ区は、他の処理区に比べて総生重量で圧倒的に重く生育がもっとも良かった。(1

ヤワラは窒素源として硝酸カルシウムを使用しているが、処理後生体内の硝酸態窒素含有率が増加する傾向は見られない。(2

吸収された硝酸イオンは速やかに有機物に同化されているものと考えられる。

ヤワラは窒素源が硝酸態でありながら、植物体内での硝酸態窒素の含有率が低く保たれているが、これがヤワラの生理活性によるものなのか、生育量が増加したためなのか、今後解明が必要となる。

「ヤワラ」には生育を促進し、かつ窒素含有率を減らす効果があると考えられる。

試験結果から応用できる作物

詳しくはアグリボ製品の作物別ご使用方法 “アグリボこよみ” をご覧ください。

上記以外の作物のこよみ

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