きゅうり葉面からの、カルシウム吸収率および体内移行力の確認試験

1. 試験目的

ヤワラおよび他のカルシウム(Ca) 葉面散布剤を、きゅうりの茎葉に散布し、
カルシウム成分の作物への吸収率および散布各部位から上位への移行力を確認する。

2. 試験方法

中〜下位葉部分(上位より5葉目以下)に各薬剤を十分散布し、
中〜上位葉を試験サンプルとして使用する。

※ 吸収されたカルシウムが、上位葉へ移行されているかどうかを確認するため、
試験薬剤が上位葉にかからないように散布する。

■ 試験区
薬剤 希釈倍率 カルシウム濃度 散布・採取部位
中〜下位葉 上位葉
ヤワラ 1,000 95ppm 散布 および 採取 採取
酢酸カルシウム製剤 1,000 32ppm 散布 および 採取 採取
他カルシウム剤 -G- 1,000 95ppm 散布 および 採取 採取
他カルシウム剤 -F- 1,000 95ppm 散布 および 採取 採取
無処理 - - 散布 および 採取 採取

3. 調査項目

試験サンプルをミキサーにかけた後で搾汁し、
カルシウム濃度を簡易比色法で計測し、カルシウム含有率を確認する。

4. 試験結果

■ 表-1(生重当りカルシウム量 : mg / kg

散布1日後 散布3日後
中位葉 上位葉 中位葉 上位葉
ヤワラ x1,000 160 96 193 131
酢酸カルシウム製剤 x1,000 149 79 178 107
他カルシウム剤 -G- x1,000 133 93 134 119
他カルシウム剤 -F- x1,000 138 85 212 105
無処理 150 79 193 86

■ 表-2

きゅうりにおける中位葉散布後の上位葉カルシウム含有率の変化

5. 考察

① 散布1日後(中位葉)のカルシウム含有率は、
ヤワラ散布区が一番高く吸収率に優れていると推察できる。(-1

② 散布3日後の上位葉のカルシウム含有率も、
ヤワラ散布区が一番高く移行力に優れていると推察できる。(-2

ヤワラはカルシウム成分の吸収率および移行力に優れ、カルシウム欠乏症対策に有効である。

ただし、カルシウム欠乏症は発症してからでは遅いため、
発生が予想される前、もしくは少しでも気配が見えたら予防散布をする。

■ 参考

 各散布液の散布直後の付着状態 / さといも 

展着剤並みの展着効果

ヤワラ x1,000倍画像クリックで拡大 (95.65KB)

ヤワラ 1,000

優れた展着効果

展着剤A x1,000倍画像クリックで拡大 (83.90KB)

展着剤A 1,000

試験結果から応用できる作物
◆ カルシウム欠乏症が発生しやすい作物 ◆

詳しくはアグリボ製品の作物別ご使用方法 “アグリボこよみ” をご覧ください。

上記以外の作物のこよみ

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